健康情報をもっと知りたい時は→
今回のテーマは少し硬いですか?
本気で考えるととても大きな問題ですが、私がなんとなく感じていることを少し無責任に述べさせていただきます。
日本の医療にみなさんは満足されていますか?
日本の医療だけしか知らない方がほとんどでしょうから、半ば諦めているというところでしょうか。
世界の各国での比較をすると、日本の医療はとても患者さんにとって良いものだと思うのです。
大きな理由は二つ。
どの医者にでも診てもらえ、しかも同じ料金であること。
もう一つは、保険の種類に関わらず同じような医療を受けられること。
こんなこと考えたことありますか?
例えば、私の診察も、研修医の診察も、大学教授の診察も、みんな同じ保険点数がついています。つまり同じ料金です。
点数の格差は、大病院と診療所の間に少しはありますが、医者の間に料金格差はないのです。
1年目の医者とベテランの医者の診察料金が同じ。なんか変だと思いませんか?
しかも、患者さんはどの先生に診てもらおうと自由です。患者さんにとってはとても都合が良いですよね。
だって考えてみてください。
夜中に救急病院に行きました。当直の先生は2人います。一人は診察料千円ですが、昨日医師免許をもらったばかりの新米。もう一人は卒後10年目の救急学会専門医だけど診察料3万円。困りますよね。本当に日本の医療は良いですね。
もう一つの理由。保険の種類に関わらず、基本的にどんな人でも同程度の医療を受けられる。
当たり前です。人の命は平等ですから。
ですが、米国やオーストラリアなどでは全く違います。
例えば、夜中に急性心筋梗塞で救急病院に運ばれます。病院に着いたら必要な検査をして必要な治療を受けて、というのが普通ですよね。
でもあちらでは、保険の種類、特に私的な保険に加入しているかどうかをまず聞かれます。
私的保険に加入していないと、運ばれた救急病院に入院して治療は翌日以後。
加入していれば、その医者が個人的に契約している病院に搬送し、すぐに手厚い治療が始まります。
まさに金で買えないものはない、という○江○文さんの迷言通りのことが行われているのです。
やっぱり日本に生まれてよかった。でしょ?
でも、問題点も一杯あります。
まずは医療の仕組みに原因がある問題点を考えて見ましょう。
みんなが保険診療を受けられるという国民皆保険制度は、低料金で医療を受けることを可能にしました。
しかしその反面、ちょっとしたことで病院にかかるようになり、病院は混雑し、
待ち時間が長くなるという現象がおきました。
3時間待って3分診療。
医者が悪いように言われることもありますが、原因は医療制度とそれを使う国民のみなさんの意識にあると思います。
薬局で風邪薬を買うより病院に行って薬を保険でもらおう。
少し前までは、そんな風に考えたことのあるかたも少なくなかったと思います。
結果として病院の待合室には風邪の人が多くなり、待ち時間が長くなってしまうという現象が起こってしまうのです。
医療側も、患者さん一人当たりの単価が低いですから、風邪のように短時間ですむ患者さんを沢山みて経営状態を良くしようとするわけですよね。
開業医ならまだしも、大病院に風邪の人が集まれば、本来の病院の機能が失われてしまうことになると思いませんか?
制度の問題ばかりではなく、私たち医療人の間違った意識に原因のある問題もありますよね。
例えば公立病院の官僚主義的な診療スタイル。
診察時間は午前中だけで土日は休み。夜間救急は当直医一人。こんな状況はまだ珍しくないのです。
当然赤字経営ですが、公立ですからみなさんの血税を補填して何とかやっていけるわけですよね。
でもそんな状況をいつまでも続けられるほど行政側にもお金がないことは明らか。
どんどん公立病院の閉鎖、合併、民営化が行われていることは皆さんもご承知のことと思います。
私が開業したのが8年前。70歳以上の方は一律500円の窓口支払いでした。
今はどうでしょう?原則一割負担。一定以上の所得のある人は2割。やがては原則2割、所得者は3割になります。
医療制度はここ数年で大きく変わってきていますし、今後どんどん変わります。
どう変わるかご存知ですか?
細かいことは分かりませんが、大筋は、患者さんの負担を増やし、医療機関にかかりにくくし、結果として国民医療費を抑制していこうというものです。
その結果、医療機関の収入は減少しますので、医療機関の淘汰が起こり、病院、診療所が潰れていくわけです。
本当に医療が必要な人だけを医療機関にかかるようにして、本当に必要な病院・診療所だけが生き残って行けるようにしたい。
これが国の考える医療モデルだと思います。
医療費高を考えればやむをえない点も多いのですが、問題点もたくさんあります。
たとえば将来的には高血圧治療薬などを薬局で処方箋なしで買えるようにしていく方針だそうですが、
生活習慣病の管理の仕方の根本が忘れられているように感じます。
次回は理想の医療像はどんなものか、また勝手なことをお話したいと思っています。
- http://yanagawaclinic.blog47.fc2.com/tb.php/189-1bf58035
0件のトラックバック
コメントの投稿