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「
在宅入院」について、あなたはどう考えますか?
「在宅入院」という言葉、初めて聞かれたことと思います。私が作った言葉ですから当たり前ですね。
「在宅入院」は私が目指している在宅医療の姿なのです。
自宅にいながら、病院に入院しているのと同じような治療やケアを受けられる在宅医療が「在宅入院」です。
病気になったら病院に行きます。
外来診察を受けて、重症でなければ外来で検査、治療をしていきます。
診察を受けて、重症である場合や十分な経過観察や精密検査を要する場合には病院に入院します。
このことは当たり前のことであり、疑問に思う方は少ないでしょう。
入院したことのある方にお聞きしたいのですが、入院中に病院にいなくとも自宅でできることがほとんどであると感じたことはありませんか?
たとえば肺炎で入院します。重症の場合には、気管内挿管といって気管にチューブを入れ、人工呼吸器をつけて酸素を送り込まなければなりませんが、
そういうことはむしろ稀なことです。
通常は、入院しても1日に2回か3回、抗生物質の点滴をして、
3,4日に1回血液検査をするくらいです。
抗生物質も1日に1回で済むものもありますので、入院中何もすることなくベッドで寝ているだけのことが多いのです。
もちろん、このベッド上の安静ということが入院することの重要性のひとつであることは間違いありません。
特に主婦の方の場合、自宅にいると動かざるを得ないので入院したほうが気楽で良いということもあると思います。
少なくとも回復途上の患者さんが長く入院して治療を受けることのメリットはないと思います。
そのことに医療全体が気づき始めた結果、「在院日数の短縮」「早期離床」「早期リハビリ」という言葉がここ数年頻繁に聞かれるようになってきたのだと思います。
つまり、なるべく早くもとの生活に戻してあげたほうが患者さんの回復も早いということです。
自宅で治療することの利点は何でしょうか。
人にもよると思いますが、住み慣れた自宅にいることによる安心感がその最大のものでしょう。
特に高齢の方の場合には、入院して環境が変わっただけで一時的に認知症のような症状がでてしまうことがあります。
したがって、周囲の環境を変えることなく必要な治療を施して差し上げることができればよいと思います。
もう一つの利点は、過剰な医療を受ける心配がないということでしょう。
例えば癌の終末期において、抗がん剤投与や点滴などを受けたくないという患者さんは少なくありません。
しかし病院に入院していると、余命をわずかに伸ばすだけのために、苦しい抗がん剤を投与することが少なくありません。
入院患者さんには何らかの治療をしなければいけないというような医療者の錯覚のためか、
入院していると過剰な治療がされがちであると思います。
自宅で治療を受ける場合、基本は患者さんの生活にありますので、
その患者さんの生き方にあった療養内容、治療内容を考えていきやすいと思うのです。
当院で現在行っている「在宅医療」は、主として高齢者で通院困難な患者さんの慢性的な病気の治療と経過観察を月に1、2回ご自宅に伺って行うものです。
入院して治療が必要な方をあえて自宅で診ていくというものではありません。
通院することが困難なために自宅に伺うというものです。
したがって、状態が少し悪くなれば、救急車を呼んで病院に入院することが多いのです。
私の考えている「在宅入院」は、自宅でも病院に入院しているくらいの医療を受けられるようにするというものです。
もちろん自宅でできる検査には限界があり、病院で受けられるような検査はできません。
しかし、特に高齢者の場合には、大きな器械を使った精密検査が必要でないことが多いはずです。
「在宅ホスピス」を実施している病院やクリニックはあります。
ホスピスにおいては積極的な治療を行わないため、自宅でのケアがしやすいことは容易に想像がつきます。
しかし、その「在宅ホスピス」においても、医師や看護師が24時間体制で対応しなければいけないため、
マンパワー不足で実施継続が困難であることも耳にします。
「在宅入院」においては在宅ホスピス以上にマンパワーが必要であり、
またある程度の検査機器やモニター等をそろえる必要があります。
理想としている「在宅入院」の実施にはいくつもの越えなければならない課題がありますが、
職員一同力を合わせて少しずつ目標を達成していきたいと考えています。
是非皆さまのご意見やご要望をお聞かせください。
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