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ピロリ菌がいると胃癌になりやすい。本当でしょうか?
ピロリ菌の正式な名前は「ヘリコバクターピロリ」といいます。
胃の中に生息している細菌で、1983年に発見されました。
日本では40歳以上の人の約7割が持っているといわれ、他の先進国よりも高率です。
このピロリ菌は主として幼少期に水源から感染することが多いと考えられており、不潔な井戸水がわが国の主な感染源ではないかと思われます。
ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者に高率に発見されることから潰瘍の原因ではないかと考えられました。
実際に潰瘍を繰り返す患者のピロリ菌を除去(除菌療法)すると潰瘍の再発が減ることが分かりました。
このため、米国では1994年にNIH(政府機関)の勧告で潰瘍患者のピロリ菌除菌療法が始まりました。
同時に、ピロリ菌を動物に感染させると何が起こるかという実験が行われたのです。その結果、スナネズミにピロリ菌を感染させると高率に胃癌が発生することがわかり、ピロリ菌は胃癌の原因ではないかと考えられるようになりました。
ピロリ菌は潰瘍の原因でもあり、また胃癌の原因でもある。
このことが事実だとすれば、ピロリ菌を除菌すれば潰瘍や胃癌ができなくなるということになります。なんとすばらしいことでしょうか。
ピロリ菌が胃癌と何らかの関係がありそうであることは想像されます。
しかし…
40歳以上の日本人の7割がピロリ菌をもっているわけですから、もし胃癌の原因であればもっと多くの人に胃癌が発生しなくてはおかしいと思います。
ちなみに、中国やアフリカでは約9割の人にピロリ菌が認められますが、胃癌の発生は日本よりもかなり少ないのです。
米国では国を挙げての除菌療法を早くからはじめたわけですが、最近色々なデータが出てきています。
それによると、ピロリ菌を除菌すると前庭部(胃の出口近く)の癌は減るが噴門部(胃の入り口近く)の癌が増える。そして食道癌が増えるようだというのです。
日本では2001年の11月から潰瘍患者の除菌療法が保険適応となり、言わば正々堂々と除菌療法ができるようになりました。(それまでは自費診療でこそこそしていたわけです)
しかし、除菌後に起こるかもしれないデメリットも考慮すると、本当に除菌しなければいけない人はそう多くないと思っています。
潰瘍も患った事もないのに、胃癌が恐いからピロリ菌を除菌したいというのは時期尚早であると思います。
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