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前回は癌の診断に関して、現在行われている方法を簡単に書きました。
今回は、ここ数年で実際に広まると考えられる癌の診断法を中心に、
若干の個人的な推測も交えてお話したいと思います。
現在すでに実用化されてはいますが、今後どんどん普及すると思われる画期的な癌の診断装置に
PET(ポジトロンエミッションCT)があります。
これは癌組織が正常の組織よりも糖を多くとりこむことを利用して、
糖に微量の放射線を出す物質をくっつけて注射し、
その放射線を感知する装置で癌を見つけようというものです。
この装置を使うと全身の中で、5mm位の癌を見つけることができるようです。
問題は、微量の放射線を出す糖を作る手間とコストにあるようです。
すでに日本でも高額の入会金と年会費が必要な会員制の人間ドックの施設などで使われており、
癌の発見率はかなり高い数値を報告しているようです。
ここ数年で身近な検査になると思われるものに「バーチャルコロノスコピー」があります。
これは、大腸の断層撮影を行い、それを立体的な画像に修正することにより、
まるで大腸の内側を開いてみているように映し出すことができるのです。
大腸癌や大腸ポリープの検査として、まず最初にバーチャルコロノスコピーを行い、
異常がある場合に大腸内視鏡検査をすることが一般化するかもしれません。
現在のところ装置が高額であることと、画像の処理に時間がかかるため一般化していませんが、ここ数年で普及してくることでしょう。
内視鏡関係では飲みこむ「カプセルカメラ」が新聞にも載っていました。
胃や大腸の内視鏡検査は大変であるということでしょうか、小さなカプセルを飲んで自動的に写真をとり、
お尻から出てきたカプセルを取って解析するというものです。
小腸の中を見る良い検査は現在ありませんので、小腸検査としてはよいかもしれませんが、
胃や大腸の検査が現在の内視鏡検査よりも優れたものになるとは思えません。私個人としてはあまり普及しないと思っています。
病変部位を実際に映し出す画像診断は今後ますます発達することでしょう。
磁石の力(磁力)で映し出すMRIがもっともっと応用されるのではないでしょうか。
ところで皆さんは究極の癌の診断はどういうものだとお考えですか。
それは血液、尿、便といった簡単に取れるものから癌を早期発見することです。
実際そうした診断を目指して癌研究は行われています。
皆さんも「腫瘍マーカー」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
現在あるほとんどの腫瘍マーカーは診断には役立たないのです。
診断として使えるのは前立腺癌のPSAと肝癌のAFPくらいでしょう。
CEAやCA125など有名なマーカーはあくまでも手術後の経過観察の指標としては有用ですが、診断的な意義は否定されています。
しかし将来は、血液10ccを採って機械に入れると自動的に癌のできている臓器が分かるというようになるかも知れません。
しかも早期癌のうちに分かるようになれば、かなりの癌が治せることになるでしょう。
このことが現実のものとなるためには、まだまだ時間がかかりそうです。
新聞や雑誌などに遺伝子診断の話が時々載っています。
その記事を読むとあたかも生まれた直後に将来わずらう病気が全て分かるようになるような書き方のものもあります。
つまり、遺伝子を調べればいくつでどんな癌になるかまで分かるというようなものですが、
癌は習慣病の一つだということを忘れないで下さい。
全く同じ遺伝子を持つ双生児でも、育つ環境が違えばなる病気だって違うであろうことは想像できると思います。
癌の発生も、食生活や酒・たばこといった嗜好品ととり方で変わってきます。
したがって、癌の発生を起こしやすいかという傾向を遺伝子である程度判断できるようにはなるかもしれませんが、癌の発生そのものを予測することは不可能でしょう。
癌は早い段階で見つけなければなりません。
早期癌は無症状のことがほとんどですので、検診としての検査によって見つけられなければいけないのです。
検診の検査は「なるべく安く、早く、楽に」ということが原則になりますので、
血液検査で早期癌の診断ができるようになることがやはり理想でしょう。
しかしそれはまだまだ先のことになりそうですから、今ある検査を定期的に受けることしかないと思います。
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