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前回の記事が意外にも好評でしたので、今回はその続編としました。
普段診察室の中でみなさんとお話をしている時に話題となりやすいテーマを選んでみました。
「頭痛は脳梗塞の前兆である」
脳梗塞で亡くなる著名人が多く、新聞やテレビで報道されるたびに、外来には脳梗塞を心配する患者さんが増えます。
その中でみなさんが良く心配している症状が頭痛です。最近頭痛が多くなった気がするけど脳梗塞の前兆ではないでしょうか、といった質問を多く受けます。
脳梗塞は脳の血管が詰まってしまう病気です。
脳には心臓のように痛覚(痛みを感じる神経)がありませんから、脳梗塞で頭痛が起こることは通常ありません。
したがって、脳梗塞の前兆としての頭痛はありません。
一時的に手足に力が入らなくなった、呂律が回らなくなった、といった症状が脳梗塞の前兆としては多いのです。それと注意していただきたいのは動悸という症状です。
長島監督も不整脈に伴う脳梗塞で倒れました。
ある種の不整脈がある場合、心臓の内側に血栓(血のかたまり)ができて、それが脳の血管に飛んで詰まるのです。
ですから、動悸を感じることがあったらすぐに近くの医療機関にご相談ください。
「胸部単純写真で早期肺がんが発見できる」
市の検診の時に胸の写真を撮ります。異常所見がありませんという結果にみなさんは喜び、自分の肺には何も異常はないのだと信じます。
特にバス検診などで行っている間接撮影の場合には、進行がんですら発見できないかもしれません。
もともと結核の発見のための検査であって、肺がん、特に早期の肺がんの発見のための検査ではないのです。
直接撮影という医療機関で撮影する胸部写真の場合にも、早期肺がんの発見に関しては微妙です。
では、肺がんを早期で見つけるためにはどうすればよいのでしょう。
今の医療の中ではCT検査、とくにヘリカルCTが早期肺がん発見には最も優れていると思います。
定期的(年に1回)なCT検査によって肺がんは早期に見つかると思います。
しかし放射線の被曝による発がんが増えると言われており、定期的なCT検査はあまり勧められていないのです。
近年MRI検査の進歩は目覚しく、あと何年かすれば肺がんの検査はMRIでできるようになると思います。そうすれば放射線被爆の心配もなく検査を受けることができるようになるでしょう。
「胃はバリウム検査で異常がないから大丈夫」
市や企業の検診、あるいは人間ドックの検査でも入っているのがこのバリウム検査です。
この検査は歴史的にも古く、特に日本の検査技術は世界一であることに間違いはありません。しかし、撮影技術に差が出やすく、病変の見落としが多いことも事実です。一年以内にバリウム検査を受けていた方が当院の胃内視鏡検査で進行性胃がんが見つかることは珍しくありません。
検診でバリウム検査を受けることに反対はしませんが、放射線被爆がなく、しかも苦しくない胃内視鏡検査を当院で是非受けてみていただきたいと思います。特に症状のある人は内視鏡検査をお勧めします。
「便通が普通にあるから大腸の病気はない」
最近大腸がんの発生が著しく増加しており、50歳を過ぎたら内視鏡検査を受けるように学会でも宣伝活動をしています。
外来で大腸内視鏡検査をお勧めすると、無症状だからと断られる方がいます。
どの病気でも同じですが、治る時期に発見しなければ意味がありません。
大腸検査は比較的簡単で安全に行えるようになりましたので、50歳になった方はたとえ無症状でも検査を受けていただきたいと思います。
症状が出て来た時にはもう手遅れの状態になっていることも少なくありません。早い時期に見つければ内視鏡治療だけで済むことも多いのです。
50歳以上のあなた!一度受けてみてください。
「歳だから仕方がない・・・」
これは医者も良く使う逃げ言葉です。
漠然とした症状があって原因が分からない時、その人がある程度の年齢以上だと「歳のせいでしょうね・・」と言ってしまいがちです。
年をとることは生理的なことですから仕方のないこと。
そんな風に諦めてしまっていませんか?年をとるということもひとつの病気と考えてみると、今までは諦めていたことに対する様々な治療のあることが分かります。
たとえば、歳だから骨が弱くなると諦めていた人でも、一生懸命運動してカルシウムを取り、場合によっては薬も使うことで30歳台の骨の硬さに戻ります。
歳だから睡眠が浅くて、と諦めていた人でも、メラトニンを使うことによって質の良い睡眠を取り戻すことができるようになります。
歳だから顔のしみ、しわは仕方がないと落ち込んでいた人でも、最新の美容療法によってしみ、しわが少なくなり、生活が明るくなります。
抗加齢医学の進歩により、70歳、80歳になっても30代のときのように活発な生活が送れるようになることも夢ではありません。
みなさんも諦めずに老化に立ち向かいましょう。
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